#3F Wallman Building
1-2-20 Semba Higashi,Mino-shi, Osaka

GALLERY SFM!!

01
卒業するスタッフへ
みんなの思いをブーツにのせて

SFM!にはオープンから2年間スタッフがいました。
前職から9年間一緒だった『坂野さん』です。

いつもお洒落で、かわいくて、接客もうまくその人にあったモノをちゃんと
オススメするのでお客さまからの信頼も大変厚い。
『死語になりつつある言葉』をあえて使わせてもらうと『カリスマ店員』なのです。

そのうえしっかりもので、細かいことにはよく気がつき鋭いので、
『坂野さん』の前では嘘をつけません。
自分が楽しいことがあると、『何ニヤニヤしてるんですか?』といじってくる。
少し凹んだことがあると察して『青野さんごはんでもいきましょうか?』と
さり気なくごはんに誘ってくれる。
たまにどっちが先輩かわからなくなる時もありました。

年齢は10違うのに毎日8時間喋って、毎年誕生日祝って、悩み相談しあって。。。
色々、イベントを起こしたり、一緒に商品も考えました。
大阪でも箕面という市内から離れていて、しかも最寄り駅がないような立地の
お店が潰れずに営業できているのはこの坂野さんのおかげなのです。

そんな『坂野さん』も2年間経ち、やりたいことができます。
『青野さん、3ヶ月後にやめますわ』

悲しい気持ちは全くなく、非常に嬉しかったのを覚えています。
ずっとやりたいことはないと言っていた『坂野さん』にやりたいことができたのです。

これは盛大に送りだしてあげたい!!
『恩を返すチャンスはここだ!ビビらせたい!!』
『お客さまも全員使ったサプライズをしよう!!』

そこで思いついたのが『坂野(原)チャリティーシャツ』です。
(坂野さんが原チャリに乗っているプリントTシャツを作り、お客さまに売って、
そのお金で坂野さんのずっと欲しがっているモノを送別品としてプレゼントする)

『坂野さん』には毎日口ぐせのように欲しいと言っていたブーツがありました。
『マルジェラのタビブーツ』(15万円くらいする)
このブーツはお洒落女子の憧れのアイテムなのです。

これが最後の出勤日に目の前に出てきたらどんな顔するんやろう
自分の顔のTシャツをお客さまが着て現れたらどんな顔するんやろう

仕事が終わると
『坂野さん』にばれないようにTシャツを製作し、
『坂野さん』にばれないように一人一人お客さまに電話して趣旨を説明しました。
毎日、直電(じかでん)をしました。

『坂野さんが辞めるのは悲しいけど、最後にお祝いしたい!』『楽しみやねー!!』
たくさんの賛同者が集まり、当日来れない遠方の方も含めて70枚のTシャツが売れました。
最終日が祝日ということもあり、11時のオープンから19時の閉店まで順番に
『坂野さんが原チャリに跨っているTシャツ』を着て現れます。

『何々ー』
『そのTシャツどうしたんですかー?』
『坂野さん卒業おめでとうー』

こんなやり取りが一日中続きました。

閉店後に残ってくれていたお客さまと一緒にネタバラシ。
その日来れなかった方達に写真をいただいていたので、
この人達も買ってくれましたよのサプライズ動画を流しました。
東京とか岡山とか熊本とか海外の人もいたかな。。。
来れなかった全国のお客さまが着てくれたTシャツの写真が次々と流れます。
『みんなからやで!』
最後にこの文字が表示されます。

『お客さまが買ってくれたお金で買いました。皆さんからですどうぞ受け取ってください。』
毎日、夢を見ていたブーツが目の前に現れます。

絶句したあとに
『靴も嬉しいけど、みんなの気持ちがうれしい!!!』
坂野さんは涙を流しながら言いました。

こんな素敵なスタッフと働けて嬉しいです。
今でもこの気持ちは変わりません。

坂野さんにがっかりされないように日々働いております。
またいつか一緒になにか楽しいことをする日もあると思っております。
坂野さんの今後に期待していてください。

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